Vocal Review vol.4 「The Way U Are」





Review Vol.4  「The Way U Are」    
2004.6.22発売

作詞 テフン
作曲 ダニエル・パンダー

さて、第4回目は「The Way U Are」です。

この曲は、皆さんもご存じのとおり、韓国Ver.と日本Ver.がありますね。

新米ペンの私は、今回初めて韓国Ver.を真剣に聞きました。

とても興味深かったです。

JJの声が日本Ver.を聞きなれている私には、とても新鮮でした。

そして、この曲ぐらいからやっと、苦労しなくても彼の声を聞き分けることが出来るようになりました。
この頃のJJは、とてもハスキーvoiceです。
この曲の歌い出しの声を日本ver.と聞き比べてみて下さい。
とても同一人物とは思えません。

JJの声は、「My Littre Princess」の時よりどの音域も安定していますね。
それは、この曲のメローディーラインがまた、JJの安定音域に被っていることと、高音域が少し伸びました。
しかし、全体的にハスキーvoiceです。
JJのハスキーvoiceは、単なるハスキーvoiceではなく、非常に甘さを含んだ声です。
声の出し方をまだ習得できていない過程でのハスキーさで、もともとの声がハスキーなのとは少し違います。
もちろん、少し地声にハスキーさはありますが、そんなに取り立てるほどの特徴には思えません。
それは、オーディションの声を聞くとわかります。
もともとの声は、甘くつややかな音色です。
この頃、ハスキーなのは、身体を使わず、喉だけでマイクを頼りに長時間歌うからです。
よく喉が潰れなかったと思います。
残念なことにこの頃の曲は、歌い出しはJJでも後にメインヴォーカルと言われるほど曲の殆どのサビを歌い切っていた頃と違って、余りソロパートを取っていません。
それが、返って彼にはよかったと思います。
この頃にメインパートをソロでガンガン歌わされていたら、正しい発声が身につかず、間違いなく喉声で歌い、声帯を痛め、喉を潰して本当にハスキーvoiceになっていました。
ですから、私達には残念でも、余りメインパートを歌わせてもらえなかったことが、後に彼にとってはいいことになったと思います。
また、韓国語の発音を正確にする為に、若干喉にかかったポジションでの発声が多くなりますね。

高音域にメロディーが入っていく箇所が2カ所ほどありますが、裏声を使っています。
この頃のJJは、他の曲でも裏声を使っていますね。
今からは、想像できない出し方です。
細く綺麗で、少し不安定な裏声ですね。

現在のJJは、身体を見事に使って高音域を歌い上げます。
基本的に裏声は使っていません。
ですから、あのような伸びのある、そしてエネルギッシュでパワフルな高音域が出ます。
強靭な腹筋を見事に使い切りますね。

そのような発声をしている限り、喉を傷める、喉を潰す…そういう心配は全くありません。
ただ、睡眠不足や過労…またこれは、ちょっと彼には苦言ですが…喫煙・深酒…そういうものによって、歌手は声帯を痛めます。
この辺りの管理は自分が一番よくわかっているはずです。

人間の声は、機械ではありません。
身体を使って歌う技術を習得できるかどうかが、その歌手生命を非常に左右します。

私は、こと発声という点においては、彼に対して全く不安を持っていません。
それくらい現在の彼の発声は、非常に素晴しいと思います。

ですが、この頃はまだまだ、身体が全く使えていませんね。
ですから、裏声で歌っています。

高音の声だけを裏声で一生懸命歌っていますが、身体は声とバラバラの動きをしているように見えます。腹筋は、ダンスにだけ使っているようです。

いつから、あの身体を使った高音が現れるのでしょうか?


この頃のJJの声がとても好きという人がいます。
JJのハスキーvoiceは、韓国では、男性に好意的に受け入れられる声質と聞きました。
このまま、彼が日本語の歌を歌うことなく、現在に至っていたならどのような声で歌っていたのでしょうか?

彼が、仮にこのようなVocalグループに所属したのではなく、男性の好むROCK BANDにでも所属していたなら、私達は、Mazeのようなエネルギッシュに飛び跳ねているKIM・JAEJUNGという歌手を見たかもしれません。
それでも、彼はきっと素敵な歌手になっていたでしょう!
そんな彼の姿を想像するとワクワクします。


非常に透明感のある声に少しずつ、色が重ねられ始めた頃…。
後のJJの多くの声色を形作る1番基本の色。
それがこの時代の彼のvoiceです。

しばらく私達は、彼のこの音色を楽しみながら韓国で発売された曲の数々を聞きたいと思います。

次は、「Hi Ya Ya 夏の日」です。 

$Kim・Jaejoong Vocal Review

2011年5月15日(アメブロの旧サイトにて初掲載)

Review vol.3 「My Little Princess」


Vocal Review vol.3 
My Little Princess 
  
2004.1.14 HUGと同時収録


作詞 ペ・ファヨン
作曲 ファン・ソンジェ





Vocal review vol.3は、 My Little Princessです。

2つ動画を上げました。

1つ目は、伴奏つき、2つ目は、アカペラバージョンです。


この2つを聞いて私は、JJの初期の歌の特徴を掴みました。

とてもいい部分とちょっと努力して直してもらいたい部分とがあります。


この曲は、HUGに比べてメロディーラインが低いですね。
ですから、JJにとっては、ちょっと声のコントロールが難しくなりました。

JJの1番いい中音域の響きは、HUGのメロディーラインです。
あのキーの高さだと彼は、無理なく響きを充てることが出来ます。
それに比べて、この曲は、4度も低くなっています。
これは、しんどいですね。
ですから、響きを当てるのに苦労しているところが垣間見えます。

それでも持って生まれた響きが健在で歌い出し4小節は見事です。
彼の特徴である甘い綺麗な声は、ここでも低い音域の中で健在です。
時々、堪らないほど甘美な音色を奏でます。

そして言葉の入りも完璧ですね。曲の雰囲気を壊さないように甘くソフトに入ってきます。
HUGの明快な入りとは全く違った入りです。
この人のこういう感性、曲の雰囲気を的確に捉えて、其れに合った歌い出しを作ってくる…こういうところは、持って生まれた感受性の問題です。教えられて身につくものでは決してありません。
そういう天性の感受性に関しては、JJは素晴しいと思います。ですから後にあれだけの曲を作ることが出来ているのではないでしょうか?
その特性が、この時点で見事に発揮されていますね。
これは、アカペラバージョンを聞くと一層顕著にわかります。そして言葉の処理能力が秀でているのもわかりますね。

歌は、歌の出だしが1番難しいと言われています。
第1声の出だしに歌手は、すべての神経を集中させる…と言われるほど、気を使います。

なぜなら…
聴衆は、第1声でその歌手の力量を見破るからです。
「いえいえ私は、プロではないし、そんな見破るなんて…」と思われる方も多いと思います。
でも、実はみんな、見破っているのです。
あなたが、初めての歌を聞くとき…
あなたは、その歌手の歌い始めの声に神経を集中させませんか?
きっと「どんな歌だろう?」「どんな声だろう?」と無意識に神経を集中させているはずです。

それと同じで、歌手は、第1声を自分の耳で確かめながら、自分の声の調子を判断します。
グループで歌う時は、他のメンバーは必ず聞いています。
その声の調子に合わせて歌っていかなければなりません。
特にアカペラは、第1声ですべてが決まる…というほど重要です。
その歌い出しを彼が担当しているのは、彼の音程の正確さです。

彼は、音程が非常に安定しています。
ですから、ハーモニーを作りやすいのです。

そんな彼ですが、この曲は苦労していますね。
何故、これだけメロディーラインが低い曲が作られたのかわからないですが、彼以外のメンバーに合わせているということも十分考えられます。

ソロパートが大きく分けて4カ所あります。何故か彼が歌うのは、前半から中盤にかけて集中していて、後半転調されキーが上がってから彼の登場はないです。

最初の出だしは非常に綺麗に歌っていますが、私は、この曲で彼のこの時点での課題を見つけました。
それは、今、彼が最も得意としている高音域の発声です。
この曲で、HUGよりも上のキーを歌っている箇所が何カ所かあります。
そのすべてにおいて、少し当たりが悪くハスキー気味になります。
これは、彼の音域がここまでしか使えない状態を表しています。
特に、中盤47~50小節目(アカペラでは25~28小節目)の低音域から高音部分への移りの部分で、今の彼の声からは考えられないような発声をしています。

最初、私は、この曲を運転しながら聞いていました。
誰が歌っているかわからなかったです。
それで、もう1度聞いてみました。
そうすると、どうもJJの声のような気がするけれども自信がなかったです。
それで、車を止めて映像を確認しました。

正直ちょっと驚きました。
なぜなら、彼に似つかわしくない高音部の発声だったからです。
そして、彼が「僕は、中学2年生頃まで音痴でした。」と言った意味がわかりました。

音痴というのは、よく歌の自信がない人が「私は、音痴だから…」と言いますね。
でも聴力に問題がない限り、「音痴」は存在しません。

よく言う「音痴」とは、歌う時に音の高さが合っていない人の事を言います。
音程が下がっていたり、上ずっていたり…ようするにきちんと嵌っていない状態で歌い続けている人を音痴と言います。
実は、高い部分や低い部分の声を出すためには、少し訓練が必要になります。しかし、正しい訓練さえ受ければ、音痴は存在しません。(機能障害がない限り)

人間は、持って生まれた音域が広ければ、そんなに苦労しなくても大抵の音は出ますし歌が歌えます。
でも持ってい生まれた音域が狭ければ、努力して音域を広げていかなければ歌は歌えません。
小さいとき音痴でも成長するとともに音痴じゃなくなることがよくあります。
それは、身体の成長と共に声帯も成長して音域が広がるからです。

その成長段階に彼の声がありました。
ですから、この頃のJJの高音域は、ほとんどまだそんなに使える声ではなかったのだと思います。
事実、高音部は、下から突き上げたような発声になり、腹筋も使えていないし、喉だけで歌っています。そして、ピッチもやっとの思いで高い音に合わせている…そういう無理な発声の仕方です。
今の伸びのあるJJの高音域からは想像もつきません。
それで、歌う時は、ミドゥルパート(中音域)を担当していますね。
そして、他のメンバーもまだそんなに高音域が伸びていなかったので低めのメロディーが多いのだと思いました。

この曲を聞いて、私は、彼が努力して努力して高音域を伸ばしてきたのだとわかりました。

いつ頃からあの伸びのある高音域が登場するのか、とても興味があります。


そして、彼が真面目で歌に向き合う性格だということがよくわかりました。

彼ほど歌唱力が変化したメンバーは、他には見当たりません。
本当に真面目で努力家なんだと思いました。
前回にも書いた通り、彼の素直さと真面目さ。
これは、最強の武器です。
こういう人は、絶対に伸びます。

正しい発声とテクニックさえ教えれば、自分で努力を積み上げて勝手に伸びていく人です。

本当に素直だったんだな~と思いました。

そして、その性格は、今も彼の中に脈々と流れていますね。
彼のような歌手の軌跡を辿る機会が持てて、私は感謝します。

私の勉強になります。
彼からは、教えられるところが本当に大きいです。
彼という人に巡り合えて良かったと思いました。


次は、The Way U are です。

$Kim・Jaejoong Vocal Review

2011年5月13日(アメブロの旧サイトにて初掲載)

Review Vol.2 「HUG」

Vocal Review Vol.2
デビュー曲 HUG
2004.1.14 韓国発売


作詞 ユン・ジョン パク・チャンヒョン
作曲 パク・チャンヒョン



この曲は、韓国で2004年1月14日に発売されました。(舞台初出演は2003年12月26日)
「東方神起」のデビュー曲です。

ジェジュン18歳の時の歌声です。

JJは、この曲の中で、最初の出だし16小節と最後とのソロを取り中間に1フレーズだけソロを取っています。
この曲の構成は、デビュー曲ということもあり、万遍なく全員がソロを取る構成になっています。
大変親しみやすく覚えやすいメロディー構成になっていますね。

JJの声は、オーディションを受けてから、3年後の歌声です。

彼の1番安定している中音域の歌声がちょうどメロディー音域と重なっていて非常に安定した響きを奏でています。オーディションの頃に比べるとただ単に細く綺麗だった声が、若干しっかりとした芯のある響きの声に変わっていますが、まだまだ少年の声です。やっと自分の声に自信を持ち出して歌い始めたというところでしょうか。
まだまだ自分の声を披露して朗々と歌い上げていくという自信に満ち溢れたものではありません。
そうっと自分の歌をとにかく頑張って歌ってみますから、聞いて下さい…的な印象です。
すごく性格がでていますね。


彼のパートは、大きく3か所です。
最初の出だし16小節。
これはデビュー曲として、「東方神起」というグループの歌い出しでもあります。
この部分を彼が取っているということは、このグループの歌声は、『彼の音色で行く』というメッセージですね。
事実、途中彼以外のメンバーがたくさん歌いますが、最後はやはり彼の声で終わっています。
これは、彼が単にビジュアル的にセンターを取っているから…ということだけではなく、彼の声にメインヴォーカリストとしての「華」があるからに違いありません。

また、コーラス部分でもメロディーが中音域に入ってくると彼の声の音色に全体の声の音色が変化します。
それくらい彼の中音域は、特徴的な響きを持ちます。
その彼の1番いい部分を見抜いて彼がメインの楽曲構成になっていますね。

また彼の特徴である歌い出しの言葉の入りの部分(私達はセンテンスごとの歌い出しの部分をこう言います)を自然にとてもソフトに入ってきます。
歌い出しの言葉の子音(この曲で言うなら、H音になります。)がとてもきれいに入っていますね。H音の場合、強すぎたり弱すぎたりととてもコントロールが難しい子音の1つですが、綺麗に処理しています。
こういうのは、もう持って生まれたセンスとしか言いようがないところです。
仮に教えられたとしてもそのテクニックを自分の中に取り込み沢山の言葉に応用していくセンス、そして真面目さです。
真面目さがないとどんなに秀でた才能を持っていても伸びません。

彼は、歌手部門でオーディションに合格したのではなく、容姿部門で優勝しました。
彼自身も中学2年くらいまで音痴だったと言っています。

その音痴だったという片鱗は、この曲ではなく、次の2曲目「My Little Princess」に垣間見ることが出来ます。

彼の最大の武器は、素直な性格。
これに尽きると思います。
これがあったから、KIM・JAEJUNGは、ここまでの歌手になったのだと言いきれます。

次のReviewは、「My Little Princess」です。

$Kim・Jaejoong Vocal Review


$Kim・Jaejoong Vocal Review

2011年5月13日(アメブロの旧サイトにて初掲載)

◆「HUG International Ver. 」のレビューはこちら
Review Vol.6 「HUG」 International Ver.

◆「HUG」日本語版のレビューはこちら
Review Vol.8 「HUG」 Japanese Ver.

Review Vol.1 SMオーディション「その痛みまで愛したの」

Vocal Review vol.1 
「その痛みまで愛したの」
 



まず、最初に取り上げるのは、彼のSM練習生になる為のオーディションのvocalです。

オーディションは、ジェジュンが中学3年生16歳の時です。

曲目は、チョ・ジョンヒョンの「その痛みまで愛したの」

この歌を聞くと、彼の声質の1番安定した部分、すなわち中音域が、今の声とほとんど変わらないことがよくわかります。

私は、以前vocal reviewにも書いたことがあるのですが、彼の持っている音域の中で最も安定しているのが中音域です。

この声だけ聴いていると、もともと彼の声はバリトンだったのではないかな…と感じます。
バリトンとは、男性の3つの声域、すなわち、テノール(高)バリトン(中)バス(低)の中のちょうど真ん中に位置するものです。

彼の声は、バリトンの中でもハイバリといって、高い方のバリトンのように思います。


これは声域の話ですが、一方声質は、非常に柔らかく伸びのある音色をしています。

16歳(日本でいう15歳)というのは、男性では、完全に変声期を終了している時期ですね。

ジュンスが変声期終了まで10年かかったというのは有名な話ですが、普通男性の変声期は、12歳前後から始まり14.5歳には終了しています。

ですから、大体中学3年生では終了していると考えるのが普通です。


彼の声を聞いて、最も興味を引いたのは、彼の声が伸びやかな声質とテノールのような音色を持っているところです。


普通、テノールのように高音域を持つ人は、中音域がとても不安定で、特にレッスンをしてない素人の場合、響きが当たらず息が混じったような声になるのが特徴です。

プロとしてやっていくとき、テノールの人は、中音域を最も鍛えます。

中音域に響きが乗らないと、得意な高音域では綺麗な響きで魅了することが出来ても、その他の音域では別人のような声になり、歌手としては認められません。


彼の場合、とても細く伸びやかな高音域の片鱗が見えます。

全体に声がまだ弱々しく、身体を使わずに持って生まれた声と息だけで歌っているのがよくわかります。

全体の声は、細く伸びやかなテノールの様子なのに中音域だけは、バリトンのような声質をしています。

今とは、比べものにならないくらい弱々しい細い声ですが、中音域だけは、見事に正しいポジションで響いています。


ここが、KIM・JAEJUNGという人の声の不思議なところなのです。


この声を聞くと専門家は、「伸びる」と感じますね。


まず、変な癖が全くありません。

発声において、自己流の癖を持っていると教えるとき、教え手はとても苦労します。

でも彼は、素直に癖のない綺麗な発声をしています。

息の流れに載せて、自然に発声しています。

この時点で、彼は特別に何もレッスンを受けていないはずですから、これは天賦のものと言わざるを得ません。


歌に自信のある子どもは、皆、歌いすぎて何がしかの自己流の癖を持っている人が多いのですが、彼は、恐らくそこまで歌いこんでこなかったのではないでしょうか。


そして重要なのは、彼の中音域がもともと発声のポジションに当たっているということです。

稀に何も教えられなくても、鼻や頬骨の構造によって、中音域の発声ポジションに声が当たっている人がいます。

そういう人は、皆がとても苦労して身につける中音域の響きを簡単に手に入れることが出来るのです。

彼のこの時点での中音域の音色は、そんな感じがします。


そして、歌手としての魅力として成功するかどうかの鍵は、「声にがある」かどうかです。


「声に華がある」というのは、どういうことでしょうか?


教え手は、まず「歌手になりたい」という人間に出会ったら、声を聞きます。

歌の上手下手ではありません

その人が持っている声がどのような声なのか、ただその1点です。


「声」というものは、よく犯罪捜査でも使われるように「声紋」といって、指紋のように1人1人、皆違うものです。

全く同じ声の人は、この世の中に存在しません。

これだけは、持って生まれた神様から与えられたものです。


これが、歌をする人にとって、特にプロを目指す人にとっては最も重要なものになります。

「声に華がある」というのは、その人の声が他の人とは違う、どこか聞く人の心に心地よく残る声というよりも、もっときらびやかで印象に残る声ということです。


よく私達の世界では、「歌い手は、背中にバラをしょって歩け!」と言われます。


ステージへ出た瞬間、まず多くの観客の目を惹きつけなければなりません。

そして、次に第一声。

この第一声で勝負は決まると言われるほど、その人のvocalにとって重要なのは、「どんな声をしているか?」です。


どんなにテクニック的に秀でていても、声に魅力がなければ聴衆の心を惹きつけることはことは出来ません。

テクニック的に未熟であっても、その人の声が魅力的なら、聴衆はテクニックのことなど何処かへ忘れて「上手かった!」と評価します。


多くの聴衆を惹きつけることのできる声を持って生まれたかどうかで、歌手として成功できるかどうかのカギの1つを手に入れることが出来るのです。


その魅力的な声、鍛えれば「華」になり得る声、そして癖のない発声。

この重要なものを彼は、この時点で持っていました。


鍛えがいのある才能だと私は、思います。


それは、きっとsm関係者も見抜いたはずです。


これが、彼の現在のvocalの原点ですね。


でも本当に擦れていない、素直な感じの少年です(笑)

派手さは、感じられません。

ちょっと緊張しているのと、不安そうな心が瞳に映っています。

もっと、自信を持って歌えば、もっといい声が出たと思いますね。

彼の性格がよく現れている歌唱だと思いました。


これから少しずつ私と一緒に、彼の歌手としての歴史を辿ってみましょう!


次回は、デビュー曲「HUG」です。

KimJaejoong Vocal Review


ジェジュンに恋してる 

ジェジュンに恋してる 

2011年5月8日(アメブロの旧サイトにて初掲載)

Jaejoongへの手紙~最初のVocal Review


「Jaejoongへの手紙」

Dear Jaejoong

あなたのペンサイト、worldclassjjであなたのVocalについての原稿を募集していました。
私は、あなたに手紙を書くことにします。
 
私が、あなたの歌に初めて出会ったのは、去年の7月でした。
毎晩毎晩、娘から、あなたたちの歌を聞かされていました。眠い目をこすりながら(笑)

その中で、1人の声だけが、私の記憶の中に残りました。
誰が歌っているのかわからないのに、その人の声だけは、私の心に響いて、私を離さないのです。



年が明けて、私の車の中では、再び、あなたたちの歌が鳴り響いていました。
その時私は、あの…、私の心を捉えて離さなかった歌声に、再会しました。



それが、あなたとの出会いです。


あなたの声は、とても不思議ですね。



私は、長年、歌に関する仕事をしてきました。
ですから、あなたの歌声を聴けば、そのときのあなたの声の状況は、手に取るようにわかります。風邪気味だったのか、寝不足だったのか…etc.



でもあなたは、どんな状況でもそのたぐい稀な発声で歌い上げてきました。


あなたは、きっと人には言えないくらいの努力をして、その伸びやかな発声を身につけてきたのですね。
あなたの歌の特徴は、どの音域にも対応できるしっかりとした、基礎発声にあります。



あなたの声の素晴らしいところは、高い音域では、少しハスキー気味に、そして、中音域から低音域にかけては、甘く、ミルクのような濃厚な響きを奏でるところです。
中音域の声だけを聴いていると、高音域のハスキー気味な発声で歌う人物とは、別の人物が歌っているような錯覚に捉われます。

また、低音域では、どんなに低く、歌いにくいメロディーであっても、かき消されることなく、しっかりとした響きで存在しています。




私は、たくさんのいろんなジャンルの歌手の声を聞いてきました。
けれども、今まで出会った中に、あなたのような発声をする歌手を知りません。
どんなに、伸びやかな発声をしている歌手でも、どこか必ず、苦手とする音域を持っています。

特に、声に自信のある歌手で絶唱型と呼ばれるタイプは、コンサートなど何時間も歌い続けると、必ずその人の発声の弱点が出るものです。
けれども、あなたはどんなに歌い続けても、どの音域にも不安を感じたことはありません。




ほとんどの歌手は、ある音域になれば、必ず喉が詰まったような発声になり聴き手も「これ以上高い音域は、無理だな。」と感じます。

ところが、あなたの場合、それを感じたことがありません。

あなたにとって、高い音域は、どこまでもどこまでも広がっているように感じられるほど、どんなに高い音域でもまるで中音域を歌っているかのように伸びていくのです。


そして、あなたの最大の魅力は、ミルクのような濃厚さとビロードのような艶やかさを持つ中音域にあると思います。




多分、あなたは、あなたが持つ音域すべてを歌声として使うことができるテクニックを持っているのですね。

どんなに困難なメロディー展開をしても簡単に歌ってしまう裏側で、あなたがそれを身につけるためにどれだけの時間と努力を費やしてきたのかを想像するとき…



私は、歌の世界に身を置く1人として、只々頭が下がるだけです。


高音域と中音域とを、しっかりとしたテクニックでコントロールするからこそ、あなたの歌は私たちの心を掴んで離さないのだと思います。




あなたは、韓国でデビューしました。

当然母国語である韓国の歌は、あなたの表現力を最大に発揮します。
「MIROTIC」に入っている「Forgotten Season」は、あなたの得意とするバラード曲で、20年前のリメイクを感じさせないほど新鮮な響きを奏でています。



けれども、私は、あなたが最も成長したのは日本語による楽曲だったと思います。




日本語は、韓国語と違い子音で終わる単語を持ちません。

すべての言葉が、母音で終わります。

外国人が日本語を習得するとき、母音で終わる発音に、てこずることが多いです。


また日本語は、歌に最も向かない言語の1つだと言われています。
歌詞をつけるとき、1つの音符に1つの言葉ではなく、1つの文字がつくからです。
そのため、テンポの遅いバラード曲などは、ことばがバラバラになるため、日本人でも何を歌っているのか、わかりにくいことがあります。


でも、あなたは、これらの困難を見事にクリアーして歌手として進化しました。
あなた自身が言うように日本語の歌を歌うとき、声のポジションが前に出ますね。


ポジションを前に取ることで、あいまいな日本語がはっきりとした発音になります。
そして、そのことによって、あなたは高音域に新しい音色を身につけました。


「細く繊細で、美しい音色」を持った高音域です。


かつてのハスキーな高音域とは全く別の音色を身につけました。


「いつだって君に」に使われる音色と「Maze」に使われている音色は、あきらかに別のものです。




歌手が、その言語によって自分の発声ポジションを変えることほど困難なことはありません。

発声ポジションを変えることは、常に喉を傷めるかもしれない危険性をはらんでいます。


その事ができるのは、しっかりとした基礎発声が身についている歌手だけに許されていることなのです。
それを、あなたは見事にクリアーし、さらに今英語の歌に挑んでいます。
きっとこれから、あなたは、もう1つの言語を習得すると同時に新しい発声ポジションを身につけていくのでしょう。


またあなたは、韓国語でも日本語でも、ことばの意味によって声の音色を変える繊細な言語センスを発揮しています。


その能力によってあなたの歌は、ロックからバラードまであらゆるジャンルの歌を表現することができるのだと思います。




あなたの歌声に再会した時、私は1人の母親としてどん底にいました。
大学受験に失敗し浪人生活を送っている息子とは、もう何年も前から上手くいっていませんでした。

それは、どこの母親でも持つ息子への大きな期待が彼を苦しめていたのです。

毎日が、ぴんと張りつめていて…重苦しい気分に包まれていました。



自分が、息子を追い詰めていたのだと気づいたとき、私は、母親としても人間としても生きる自信を失っていました。


私にとって歌の仕事をしているときだけが心の支えでした。


そんなとき、あなたの歌に再会したのです。


長年、歌の仕事をしてきて、沢山の方から「音楽で心が癒されました」と聞いても自分の体験の中にそれはありませんでした。

なぜなら、私にとって歌は仕事だったからです。

でもあなたの歌に出会って、私は初めて「人は、音楽で心が癒される」ということを体験しました。



あなたの歌声を聴いて、涙が出ました。


あなたの声は、優しかった。


あなたの歌をむさぼるように聞きました。


あなたの声が聞こえることが私の支えでした。



それは、今も変わりません。
私は、あなたの歌によって生き返りました。


今、私は、あなたに「もっと自信を持って!」と言いたいです。



あなたは本当にやさしい。


その優しさが、歌にあふれていて私たちの心を打ちます。


いつも私たちの心に、いつのまにか、そっと寄り添って一緒に歩いてくれるのです。


でも、時にはその優しさゆえに、自己主張の激しいものにかき消されそうになります。




あなたの歌はしっかり存在しているのに、あなたの優しい遠慮がちな心が歌の存在をかき消しそうになるのです。


誰にも遠慮しないで、もっと自信を持って主張して下さい。



あなたの韓国語の歌

あなたの日本語の歌

そして、これから始まる英語の歌



どの曲を歌ってもあなたの歌の本質は変わりません。



Kim・Jaejoong という1人のアーティストの作り出す世界は



あなただけが表現できる世界です。




どうか、覚えていてください。



あなたの歌は、私たちにとってかけがえのないもの…。



あなたの歌によって多くの人が、救われていることを…。



そして、あなたが

あなた自身を愛するより深くあなたのことを愛している人がいることを…。





あなたの声は、宝物。



世界にたった1つしかない

かけがえのない宝物です。



どうか、喉を大切にしてくださいね。



あなたが歌う場所に、私は必ずいます。



From kuko            2010.10.14





「Jaejoong에의 편지」


KimJaejoong Vocal Review

2011年5月6日(アメブロの旧サイトにて初掲載)