追記しました。Review vol.20「Sky」



Review vol.20「Sky」
作詞:H.U.B.
作曲:H-WONDER。
7枚目のシングル。
エイベックス・rhythm zoneより2006年8月16日発売


この曲でジェジュンは、歌いだしの2フレーズを歌っている。あとは、最後のアドリブ的展開のソロヴォーカルライン、即ちオブリガードの部分だ。
前の曲「Begin」で地声による歌唱は終わり、と書いたが、まさにその通り。この曲の歌いだしから彼は明らかにブレスを混ぜた発声になっている。音域的には、低中音域のメロディーなのだが、それまでの固く伸びのない歌声とは異なり、弾力性のある響きのある声になっているのがわかるだろうか?
それまでの低中音域の声は、元々持っている地声の柔らかさで歌っていた。その為に、響きはない。
地声と頭声の顕著な違いは、声に響きがあるかどうかだ。わかりやすく言えば俗に言うビブラートがあるかどうか、という話になる。頭声で歌っていても、ビブラートのない人はいる。しかし、長いフレーズを歌えば必ず少しはビブラートが存在する。
また、このビブラートの有無と良質のビブラートを持っているかどうかが、聴く人に心地よい感動を与えるかどうか、という印象に大きく影響を与える。
地声では、決してビブラートは存在しない。

地声で歌っていた韓国での1年間と日本での1年目において、彼の声にはビブラートは存在しない。
「デビュー当時からの曲を聞いたのですが、どれが彼の歌声なのか全くわからなかった」と言った新規ファンがいた。
それぐらい、彼の歌声は、大きく変遷した。

この曲の歌いだしと最後のオブリガードの部分には、今ほどの色艶はなくとも、彼の歌声だとわかる特徴がいくつも存在する。
たとえば、息を混ぜた柔らかい発声音。今ほどの艶はないが、ビブラートの存在。低音域にも関わらずBGMに負けない良質の響き。伸びやかな高音。
特に後半部分におけるオブリガードの高音の伸びは、今までの彼の歌声とは全く異なる。「Begin」においての高音の伸びと聴き比べるとよくわかるかもしれない。
「Begin」の高音には、ビブラートが存在せず、さらに天井の存在を感じる。即ち、これ以上の高音は無理だろうと感じさせるものが存在する。しかし、「Sky」における高音部には、それが存在しない。もっと高音部でも歌えそうな伸びを明らかに感じる。低音部から高音部へと駆け上がるメロディーの流れに勢いを感じる。
これは、彼がブレスの勢いに乗せて、声を高く放り上げている証拠でもある。
このようなテクニックは、「Begin」には存在しなかったのだ。
この曲は、頭声を試している最初の曲であり、それゆえ、多くのパートを歌っていない。しかし、確実に彼の音域は広がり、響きを身につけている。
それを確かめることが出来る1曲なのだ。


追記 オブリガードについて

オブリガードというのは、メロディーとは異なる、メロディーを引き立てる役とも言えるもので、独自のメロディーラインを展開する。それは、往々にして、その歌手の力量に任され、楽譜に細かく旋律が書かれているというよりは、アドリブ的な要素によって、どのようにも展開されるメロディーのことを言う。
この曲における後半のジェジュンの歌は、まさにオブリガードと言えるものであり、彼のアドリブ的な要素によって、どのようにでも歌えるほど、声帯の動きが自由になったのを感じる。
まさに自由な大空に歌声がどこまでも羽ばたく、そんな感じだ。
それぐらい雄大な景色をオブリガートから連想させるのは、彼の自由になった高音部の発声のせいかもしれない。
よくジュンスがオブリガードを歌っている。それと比べてみればよくわかる。
オブリガードはあくまでも曲の雰囲気や主旋律を壊してはいけないのだ。単なる添え物なのだから。その添え物をどのように表現するか、によって、その歌手の音楽に対する意識が見えてくる。
オブリガード一つとっても、性格や嗜好は顕著だ。
彼のオブリガードと他のメンバーのオブリガードを聴き比べれば、なぜ、彼の歌声に惹かれるかの答が出るだろう。
たかがオブリガード、
されどオブリガードだ。



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