Review Vol.13 「My Destiny」

※reviewの加筆文は、最後に書いています。



Vocal review Vol.13 「My Destiny」
2005.11.2 3rd single発売
作詞 MAI OSANAI
作曲 KEI HANEOKA



今回は3rd single「My Destiny」の登場です。

この曲でやっとJJはまともに歌っていますね~ 笑

前2曲と曲の雰囲気も変わりました。

彼は出だしとサビを担当しています。
今までと違ってかなり歌っています。

彼の持ち味であるソフトな出だしで始まるこの曲のメロディーラインはかなり低めで皆、とても苦労していますね。
元来、彼のように中高音から高音にかけて綺麗に響くタイプの声を持つ人は、このように低い音域を歌うと響きが抜けてしまって殆んどノイズ音になるのが特徴です。
ところが彼の場合、出だしの低い音でも見事に響きを当てて綺麗に歌っています。

彼のこのような発声を聞くとき、私はいつも不思議に思うのです。
何故、クラシックの発声を勉強していない彼がこのような発声をすることが出来るのか…
彼にもし出会えたら、聞いてみたいですね…どうやって身につけたのか…

多くの歌手はとてもこの低音域の発声を身につけるのに苦労します。
特に彼のように高音に響きの中心があるタイプは、このような低音域ではほとんどが響きません。
ところが、彼は何とか響かせています。

まだ、身体も使えてないし声も成熟していません。
ですから綺麗な響きではあるけれど、芯のあるしっかりとした声ではないですね。
細くソフトで綺麗な響きの声です。
そして何の癖もない声です。

この癖がない声というのは、今現在も全く変わりません。
これは、彼の口の開け方に大きく秘密が隠されています。

「JJの口の開け方が最初の頃と最近とでは違うように思う」とコメント頂いたことがあるのですが、確かにPVを見ると韓国での最初の1年間のPVでのJJの口の開け方は今と全然違います。
一つは、余り大きく喉の奥を開けていないですね。
そしてまだ唇や周りの筋肉、顎に歌う時に余分な力が入っているため、PVの映像撮影の時には、コンサートの時ほど真剣には歌っていなかったでしょうから益々作ったような口元になっています。

それがこの「My Destiny」では随分改善されていますね。
これには、原因があります。

これは、日本語の発音に大きな原因があります。
彼がその言語を正確に発音しようと努力するタイプだという事は何度もお話ししていると思うのですが、日本語の曲も3曲目で、さらにこの曲では彼は多くの箇所を歌っています。
日本語の発音を正確にしようと心がけた結果、大きく口を開けないといけなくなりました。

日本語の母音、「あ、い、う、え、お」の中で横に大きく広げる母音はあるでしょうか?
韓国語のように大きく横に広げる発音はありません。
すなわち日本語の発音は、横に広げなくても「い」も「え」も発音出来てしまうのです。
その代り、縦に大きく開かないと「あ、お」は発音が曖昧になります。
また、「う」の発音に関しては口を前に突き出して発音しなければ、歌では言葉が曖昧になってしまいますね。

そういう日本語の特色をしっかり正確に発音しようとした結果、彼の口の開きは変わりました。
この曲では、まだ少し縦の開きが十分ではありませんが、PVを撮影するときには真剣に歌っていると思われます。それでこの曲では随分口の開きも変わってきました。これからどんどん開いていきます。
そしてそれと同時に彼の声も変化してきます。

また、この曲は初めてのバラード曲でした。
これまでの2曲がダンスナンバーだったのに比べ、初めてのバラード曲で、バラードを歌うにはどうしてもJJの感性と甘い声が必要だったのです。
これは、これから後も大きなキーポイントになって行きます。

次は、順番から行くと「明日は来るから」ですが
この年の暮れに出演したKBSの「2005.ONE Christmas song」の映像を見たいと思います。
彼が本格的に日本で歌いだして8ヶ月、2004年のChristmas songの映像とどれぐらい声が変わっているか楽しみに見たいと思います。

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2011年7月4日(アメブロの旧サイトにて初掲載)



【2017年6月16日 review 追記】

この歌を歌った頃のジェジュンは、10代の終わりです。まだまだ少年の頃の透明感の溢れる声です。濃厚さはどこにもありません。低音部に関わらず、響きが健在なのは、ちょうど彼の地声の一番出しやすい音域にメロディーラインが嵌っているからです。
しかし、このように聴き直してみると、5人の中で、彼だけが確実に歌手として進歩したのがよくわかります。
それは、声質だけでなく、歌そのものが大きく変わっている。表現方法が全く違うことがわかります。
このように、一人の歌手が、確実に進歩していくのを過去の歌から追体験出来るのは、大きな楽しみでもあります。
声質や表現方法が大きく変わったのに対し、デビュー当時から変わらないことがあります。
それは、歌に対する姿勢です。
彼の歌は、アーティストとして音楽に寄り添い、決して、音楽を自分の方に引き寄せ、ねじ伏せる、という歌い方をしません。
これは、平井堅や布施明、小田和正などにも共通するスタンスで、どんな音楽に対しても、その音楽を理解し、寄り添う歌い方をします。それに対し、自分を押しつけ、音楽をねじ伏せ、どんな音楽も自分の色に塗りかえる歌手もいます。
そのような歌手は、結局、音楽の大きなしっぺ返しを受ける。
結局、何を歌っても同じにしか聴こえない。それは、いつも自分を押しつけるからです。
彼の音楽に対するスタンスは、何年経っても変わりません。
いつも真摯に音楽に向き合い、時には遠慮過ぎると感じるほど、慎重に音楽との距離を詰めていきます。
彼の歌が、どんなジャンルも歌いこなし、どんな色合いの声も出せるのは、音楽に寄り添い、その音楽にあった歌声を表現しようとするからです。
音楽を深く理解しようとする時、自ずとその音楽に適した歌い方と歌声を表現しようとするのは、歌手として、そのようなスタンスを持ち続けているからに他なりません。
その片鱗が、既に、この一曲に現れていると言えます。

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