声の変化とその背景

彼の声は明らかにOST「싫어도」以来変化した。
それはタバコによる影響が一番大きかったと思う。
彼は実際には完全に禁煙出来ていないかもしれない。ヘビースモーカーを辞めて極力吸わないようにしているだけなのかもしれない。それでもこれほどの大きな声の変化はデビューして以来、初めてのことだと私は思う。
彼の声のどの音域の部分をとってもハスキーという文字も印象も皆無だ。それは声の変化が起きてからの歌声を今までの歌声と聴き比べると明らかだ。
アルバム「WWW」での歌唱は、今の状態に比べれば如何にボリュームがなく全体的に小さくまとまっているかがわかる。
喫煙は中音域から低音域にかけての声に私は影響はないと思っていたが、こうやって聴き比べるとやはり明らかに影響は出ている。今の声に比べて伸びを欠いた声が全音域にあり、特に高音部は掠れた音色になっている。
それは、彼のデビューした頃からの特徴で、彼の声は低・中音域と高音域では異なる音色なのだとばかり思っていた。
しかし今、こうやって音色の変化を知るにつけ、やはり喫煙による影響だったのかと知る事になった。
今、彼の音色は、低音域から高音域まで何ら変わることなく一定の音色をしている。どんなに高音部を歌っても掠れることもなければ伸びを欠くこともない。何よりも全体的なボリュームもひと回り大きくなったし、響きも安定している。声の通りがよくなり抜群によくなった。中音域から声の太さが変わらずそのまま高音域まで伸びていく。これほどの安定した響きと太い響きは、かつてなかったのではないだろうかと思うのです。
掠れた高音部も魅力的だったかもしれない。
それでもその発声はいずれ掠れた部分が他音域にも広がり全体がハスキーな声になる懸念はあった。
間違った発声方法と押しつけるような歌い方によって声帯の状態は年数と共に悪い状況になる歌手は多々いる。
彼もデビュー当時の発声をしていたなら間違いなく多くの歌手と同じ道をたどったかもしれない。けれども彼は勇気を持って発声を変え、今禁煙をしようとしている。この決断によって彼の歌手生命は少なくとも20年は長くなっただろう。禁煙を実行出来れば、それは確実に彼にもたらされる結果になるだろう。

もし歌手として彼が一生歌い続けたい、もっと違うジャンルの歌にも挑戦したいと考えているなら、今の声の状態が保てるように自分を厳しく管理しなければならない。

日本でも多くの歌手がいる。その中で男女を問わず頭声で歌う歌手は、歌手生命が長い。そしてデビュー当時のキーポジションを中年以降も歌える人が殆どだ。由紀さおり、森山良子、平原綾香、森山直太朗、平井堅、布施明、小田和正など頭声で歌う歌手は安定した歌声を披露する。それに比べて多くの歌手がデビュー当時のキーポジションをキープ出来ず、ハスキーな声になり音域も年齢と共に狭くなる。
歌手の力量を図る一つの方法にキーポジションがあることは否めない。いつまでも多くのファンがデビュー当時の美声を歌手に求める。そしてデビュー曲はデビューしたときの歌声と共に記憶されたままだ。
東方神起としてデビューした5人の中で今から10年後、20年後にHUGをデビュー当時のキーポジションで何人が歌えるだろうか。彼は間違いなく歌うだろう。
そして頭声の歌手の最も強いところは、歌えない環境であっても歌声を維持することができる方法があることだ。兵役に行き、歌うことが出来なくなる2年間は、歌手にとっては過酷な状況になる。2年のブランクは決して容易に取り戻せるものではない。それでも頭声の歌手はその間もヴォイスポジションを維持できる方法がある。
それはハミングを常にすること。これはリハーサルなどで大きな声が出せない環境の時などに非常に有効な手段であり、ハミングを常にすることによって声は鼻腔にあたり、ポジションを維持することができる。また声帯というものは怠け者で、すぐに声帯の膜がだれた状態になる。それがハミングをすることによっていつも適度な緊張を保つことが出来、いつでも歌える状態を保つことが出来る。
これは地声で歌う歌手には決して出来ない。地声で歌う歌手と頭声で歌う歌手とではヴォイスポジションが大きく異なる。地声で歌う歌手は決して声が鼻腔に当たらない。その為にハミングをすれば得てして掠れたりする歌手もいる。

彼はこれからの半年と入隊後の2年間を如何に過ごすかによってその後の歌手生命に大きく影響が出ると思われる。
ソロ活動を始めて彼は自分を歌手として管理することの必要性を感じたに違いない。それはグループではなく誰にも頼ることなく一人で歌い続けていくという決意と覚悟の現れのように思う。
JYJのメンバーの一人として歌うときとソロ歌手ジェジュンとして歌うときとでは明らかに明確に歌い方も歌手としてのスタイルも変えてきている彼は、ソロ歌手として大きく成長する可能性がある。
グループ歌手からの脱却と自覚が、彼の声の変化の背景にあることは間違いないだろう。

文責
kuko

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話し声と歌声の秘密

今夜は、中島みゆきさんの「月1オールナイトニッポン」のオンエアーの日で、今まさに彼女のDJを聴きながらこの記事を書いています。
「Keshou」のリクエストがたくさん行って、曲がかかることを期待しながら…(笑)
中島さんの話し声はどちらかと言えば歌声に近い響きをしています。私は彼女の話し声を初めて聴いたのですが、歌声に近いヴォイスポジションで話しています。おそらく2時間も話し続けるDJの仕事の時には歌声に近い声で話されているのではないかと想像します。なぜなら中音域の歌声にとても似通った響きをしているからです。おそらく少し意識をして歌声に近いポジションで話されてると思います。
しかし歌手によっては、話し声と歌声が全く違う人がいます。

ジェジュンの歌声は、普段彼が話す声と全く異なります。
彼の話し声は低く、どちらかと言えば太い声です。ところが歌声になると全く違う。歌声になると話し声よりも細い綺麗な響きになります。
それは、彼が頭声で歌っている歌手である紛れもない証拠になります。
頭声というのは、裏声を身体を使ってブレスの力で頭まで持って上がり頭頂部に響きを当てて歌う歌い方を言います。これはクラシックやミュージカルの歌手、また演劇をする人の発声方法で非常に身体を駆使して歌う方法です。
この方法を用いる歌手は、歌うときと話す時とでは声が異なるのが特徴です。歌声は地声の延長にあるのではなく、全く異なった場所から発せられるのです。その為に地声で話す話し声と歌声とでは全く別人と思われる声を発する人が多いです。
彼の歌声はファルセット(裏声)を使って抜いて歌う歌い方から、頭声、そして地声を少し意識的に混ぜて歌う声まで多種多様な声を使うことが出来ます。それは、この頭声発声がきちんと身についている証拠に他なりません。
それらの声と話し声とでは全く異なる声になります。

今ではこれだけの歌声を持つ彼も実は最初の1年は地声で歌っていました。
「HUG」でデビューした時はもちろんの事、日本でデビューし「Begin」を歌った時は、まだ頭声ではありません。彼が頭声発声に移行していくのは、その後の「Sky」からです。この曲以降、彼は地声と頭声の間を行ったり来たりしながら次第に頭声発声を身に付けていきます。
彼が頭声発声をしていく大きなきっかけになったのが「Begin」の曲であり、「日本語の歌を歌うならもっと細い響きにして歌う必要がある」と言われ自分の元々の声を細い響きに改造していく事になります。
響きを細くすることとメインボーカルとして高い声を要求されることが相まって彼は地声の音域では対応出来ず、裏声を使って歌う方法を選択していったのだと思います。裏声では使い物にならないため、頭声発声を身につける事になったと感じます。
彼が頭声になったのはJPOPを歌っていく上での必然だったということであり、もし彼がJPOPを歌うことがなければ、メインボーカルを歌うことがなければ、地声で歌い続けていた可能性は高いのです。

彼がまだ地声で歌っていた頃の映像を見つけました。
これは「Whatever They Say」という韓国の歌です。この中でジェジュンは明らかに全編を地声で歌い、ある部分だけを裏声で歌っています。その声は、現在の歌声とは全く違うことがわかると思います。裏声も今の頭声とは全く違い、細く繊細な響きの歌声でしかありません。
この頃、彼は明らかに地声で歌っており、お世辞にも歌が上手いとは言えません。
他のメンバーと横並びの実力で声も同じようなハスキーさの勝つ声です。その声に今のような華やかさはどこにもありません。ありふれた声なのです。
その彼の歌声が1年後には大きく変わります。彼がもしこの頃の歌声のまま地声で歌うことを続けていたなら、彼はおそらくハスキーなだけの韓国的な発声をする歌手になっていたことでしょう。そして低音部はただの息漏れの声でしかなく、高音部も伸びのない押しつけるようなハスキーさの歌手になっていたに違いないのです。
地声で歌う歌手は、その歌手人生の中で何度も声を潰し、ハスキーになっていき、やがて歌声を失う人が多いのです。またはポリーブや結節といった声帯のトラブルを抱える歌手になりがちです。
しかし彼は頭声発声に変えました。
その決断によって地声を封印し、裏声で歌うことを手に入れました。頭声発声は、声帯に最も負担の少ない発声であり、声帯を痛めることもありません。頭声発声をする歌手は歌手寿命が非常に長いのが特徴です。
彼が頭声で歌い続ける限り、彼の声はまだまだ伸びます。
最近、彼の歌声が変わったと感じる人は多いのではないでしょうか。
その原因と思われる事項については、また次の機会にお話をさせていただきます。

彼の歌声と話し声が顕著に異なる良い例の映像は、「But I'm not a gay」の映像の歌声とその合間の話し声を聴き比べるとよくわかると思います。
あの映像は、そういう意味でもとても貴重な映像でした。
本来、全く音楽記事とは関係のない映像ですが、歌声と話し声を聴き比べていただくためにここに貼ります。
「Whatever They Say」の映像と一緒にお聴きくださると昔の歌声と今の歌声との違いもよくわかると思います。


文責 kuko